新型スープラとBMWの関係は?共同開発の理由を解説

GRスープラA90型とBMW Z4 G29が共同開発されるスポーツカー開発風景 BMW
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GRスープラA90型はBMW Z4 G29と基本技術を共有した共同開発車ですが、BMW車の単なる兄弟モデルではなく、GR独自の走りを追求して作られたFRスポーツカーです。

2012年に始まったトヨタとBMWの協業は、2019年の17年ぶりとなるスープラ復活につながりました。この記事では、なぜBMWと組んだのか、B58エンジンやシャシーの関係、Z4との違いまで初心者にも分かりやすく解説します。

GRスープラA90型とBMW Z4 G29は同じ車なの?違いとは?

結論から言うと、GRスープラA90型とBMW Z4 G29は、車の土台となる部分を共有した共同開発車ですが、完成したキャラクターは大きく異なります。

「BMW Z4にトヨタのエンブレムを付けただけでは?」という疑問は、A90型スープラ登場時から多く聞かれました。

しかし実際には、両車は同じ部品を使う部分がある一方で、目指した方向性が違います。

BMW Z4 G29は、オープンカーとして風を感じながら走る楽しさや日常での快適性を重視したモデルです。

一方、GRスープラA90型は、固定ルーフの2ドアクーペとして、ドライバーが車を操る楽しさを中心に開発されました。

主な共有技術は以下の通りです。

  • BMW製B48型・B58型ターボエンジン
  • ZF製8速AT
  • BMWのFR車用アーキテクチャをベースにした車体構造
  • オーストリアのマグナ・シュタイア工場での生産体制

ただし、車の味付けまで同じではありません。

同じ食材を使っても料理人によって味が変わるように、同じ技術を使ってもメーカーの考え方によって車の性格は変わります。

筆者としては、A90型スープラを見る時に重要なのは「BMW部品があるか」ではなく、「その技術をトヨタがどうスポーツカーとして仕上げたか」だと考えています。


なぜトヨタはBMWとGRスープラを共同開発したの?

GRスープラA90型の共同開発には、現代のスポーツカー開発を取り巻く事情が大きく関係しています。

トヨタとBMWは2012年に次世代技術などに関する協力関係をスタートさせ、2013年には燃料電池技術やスポーツカー分野を含む協業を正式発表しました。

その流れの中で、次期スープラとBMW Z4の共同開発プロジェクトが進められました。

2018年には新型スープラのレーシングコンセプトやBMW Z4 Conceptなどが公開され、2019年にA90型スープラが発売されます。

これは先代A80型の生産終了から約17年ぶりの復活でした。

では、なぜトヨタは単独開発ではなくBMWと組んだのでしょうか。

大きな理由は、販売台数が限られるスポーツカーを一から開発する難しさです。

現代の車は、昔よりも多くの条件を満たす必要があります。

  • 厳しい排出ガス規制への対応
  • 衝突安全性能の確保
  • 電子制御技術の高度化
  • 開発費用の増加

特に直列6気筒FRスポーツカーは、量販車と比べると開発コストを回収しにくいカテゴリーです。

歴代スープラを象徴する2JZ-GTEは、高い耐久性とチューニング性能で世界的な評価を得ました。

しかし、1990年代と2010年代では、自動車に求められる技術条件が大きく変化しています。

BMWは直列6気筒エンジンやFRスポーツカー開発で長い経験を持っていました。

そこでトヨタはBMWの技術を活用しながら、GRブランドとしての走りを追求する道を選びました。

個人的には、この判断は「トヨタが開発を諦めた」のではなく、「限られた条件の中で理想のスポーツカーを成立させるための現実的な選択」だったと感じます。


GRスープラA90型のBMW製エンジンB58とは?2JZとの違いを比較

A90型スープラで最も注目された部分の一つがエンジンです。

RZグレードにはBMW B58型3.0L直列6気筒ターボエンジンが搭載されました。

このエンジンは、直列6気筒ならではの滑らかな回転フィールと、ターボエンジンらしい力強い加速が特徴です。

一方、SZ系グレードにはBMW B48型2.0L直列4気筒ターボエンジンが採用されました。

4気筒モデルは6気筒モデルより軽量で、フロント周辺の重量を抑えやすい特徴があります。

そのため、ワインディングなどでは軽快な動きを楽しめる方向に仕上げられています。

歴代スープラファンから比較される2JZ-GTEとの違いもあります。

2JZ-GTEは排気量3.0Lの直列6気筒ツインターボで、大きな排気量と頑丈な構造からチューニングベースとして人気を集めました。

一方、B58は現代の環境性能や電子制御技術を取り入れた新世代エンジンです。

昔のスープラが「大きな力を受け止める強さ」を魅力にしていたなら、A90型は「現代の技術で高性能を引き出す」という方向に進化したモデルと言えます。

エンジンの出自だけを見ると「BMW製」となりますが、車全体の価値はエンジン単体では決まりません。

スポーツカーは、エンジン、シャシー、サスペンション、制御技術が組み合わさって完成するものだからです。

※画像はAIによるイメージ

GRスープラA90型とBMW Z4はシャシーや足回りも同じなの?

GRスープラA90型とBMW Z4 G29は、基本的な車体設計の考え方を共有しています。

ただし、トヨタはスープラを作るために独自の調整を加えました。

特に重視されたのが、スポーツカーらしい運動性能です。

開発では以下のような要素が追求されました。

  • 前後重量配分50:50
  • 短いホイールベースによる俊敏性
  • 低重心化
  • 高いボディ剛性
  • ドライバー中心の操作感

A90型スープラは、Z4と比べて固定ルーフを採用しています。

この違いによってボディ剛性を確保しやすく、クーペらしい走行性能を追求できます。

また、ホイールベースとトレッド幅のバランスもスープラらしいハンドリングを作る重要な要素でした。

単純にZ4の屋根を閉じただけではなく、スポーツカーとしてどのように動かすかという部分まで調整されています。

ここが共同開発車を見る時の大切なポイントです。

共同開発とは、すべてを共有することではありません。

それぞれのメーカーが得意分野を持ち寄り、最終的な商品性を作り込む方法です。


GRスープラ開発でBMWとトヨタは何を担当したの?

GRスープラA90型では、BMWとトヨタがそれぞれの強みを活かしました。

BMWはFRスポーツカーや直列6気筒エンジン開発の経験を持っています。

一方、トヨタはGRブランドとして、走行性能やドライバーが感じる楽しさを追求しました。

特にトヨタが重要視したのは「車を操る感覚」です。

スペック表だけでは分からない、アクセルを踏んだ時の反応やコーナーでの安心感など、運転中に感じる部分が開発の大きなテーマになりました。

また、GRブランドではモータースポーツ活動で得た知見を市販車へ反映する考え方があります。

そのため、A90型スープラも単なる部品共有車ではなく、GRスポーツカーとして仕上げられました。

※画像はAIによるイメージ

BMW製だからGRスープラではないという意見は正しい?

A90型スープラ発売後、「純粋なトヨタ車ではない」という意見が出たことは事実です。

歴代スープラを知るファンほど、トヨタ独自開発のスポーツカーを期待していた背景があります。

しかし、共同開発車だから価値が低いとは単純には言えません。

現在の自動車業界では、メーカー同士が技術を共有することは珍しくありません。

電動化、安全技術、環境対応など、自動車メーカーが解決すべき課題は増えています。

特に販売台数の少ないスポーツカーでは、効率的な開発方法を選ぶことが重要になります。

筆者がA90型スープラで面白いと感じるのは、「誰が作った部品なのか」だけでは車の魅力を説明できない点です。

例えば楽器でも、同じ素材を使っても演奏者によって音色が変わります。

車も同じで、技術をどう組み合わせ、どんな体験に変えるかが重要です。


GRスープラA90型が自動車業界に残した意味とは?

A90型スープラは、現代のスポーツカー開発の変化を象徴する存在です。

かつてはエンジンから車体まで自社開発することが理想とされる時代もありました。

しかし現在は、環境規制や開発コストの増加によって、メーカー単独で全てを抱えることが難しくなっています。

その中でトヨタとBMWは、互いの得意分野を組み合わせる方法を選択しました。

個人的には、A90型スープラの一番大きな価値は「BMW技術を使ったこと」ではなく、「その技術を使って現代にFRスポーツカーを復活させたこと」だと考えています。

純粋なトヨタ製を望む声も理解できます。

しかし、共同開発という方法があったからこそ、2019年にスープラという名前が再び市場へ戻ってきたことは大きな意味があります。


今後のGRスープラはBMWとの関係から変わるのか?

今後のスープラについては、電動化など自動車業界全体の変化が大きく影響すると考えられます。

ただし、次世代モデルの詳細について正式発表されていない内容を断定することはできません。

これからのスポーツカーは、単純なエンジン性能だけではなく、新しい走行体験や環境性能も求められます。

A90型スープラが示したのは、「メーカーの枠を超えて理想の車を作る」という考え方です。

ボンネットを開ければBMW由来の技術が見える。

しかし、ハンドルを握ればGRスープラとしての個性を感じる。

この二面性こそ、A90型ならではの特徴だと思います。


まとめ:GRスープラA90型は共同開発でも独自性を持つスポーツカー

GRスープラA90型は、2012年から始まったトヨタとBMWの協業によって生まれたFRスポーツカーです。

BMW Z4 G29とB48・B58エンジン、ZF製8速ATなど多くの技術を共有しています。

しかし、固定ルーフのクーペ設計やGRブランドによる走行性能の作り込みによって、スープラ独自のキャラクターを持っています。

共同開発車だから価値がないのではなく、現代の環境でスポーツカーを成立させるための一つの答えとして誕生したモデルと言えるでしょう。


よくある質問

GRスープラA90型はBMW Z4と何が違いますか?

GRスープラA90型はBMW Z4 G29と基本技術を共有していますが、スープラは固定ルーフクーペ、Z4はオープンカーです。走行性能の方向性やデザインも異なります。

GRスープラのB58エンジンはBMW製ですか?

はい。RZグレードにはBMW B58型3.0L直列6気筒ターボエンジンが採用されています。SZ系にはB48型2.0L直列4気筒ターボが搭載されました。

A90型スープラは2JZ時代のスープラと何が違いますか?

A80型は2JZ-GTEの大排気量ターボ性能が特徴でした。A90型は現代の環境性能や電子制御技術を取り入れた新世代スポーツカーとして進化しています。

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